中島かずき 『アテルイ』
ー古代の東北制圧を壮大に描き出す舞台
男27 女15 上演時間 約210分
第47回 岸田國士戯曲賞受賞
その後、歌舞伎として再び舞台化
あらすじはこちらに記載されています
井上ひさし氏の選評
ドタバタ笑劇のギャグ(笑わせる工夫)、演劇論的なギャグ、シェイクスピアの史劇のような構えの大きさ、太宰治の『走れメロス』を映したような友情論、そして国家共同幻想論の入門知識などのごった煮を食べたような気分になるのが、『アテルイ』(中島かずき)である。もちろん、「ただの寄せ集めではないか」と不平をいっているのではない。逆に、作者の貪欲さにほとんど感動したのだ。
さまざまなかたちの芝居が懸命に競い合うこと、そこにしか演劇の未来はない。こういう貪欲な芝居があってはじめて、ほかの芝居も引き立つのである。