久野那美『パノラマビールの夜』
久野那美『パノラマビールの夜』
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第5回OMS戯曲賞佳作
人数 男3 女3
上演時間 60分
あらすじ
遠く離れた二つの町がありました。
うっかりすれば遠くにあることさえ忘れてしまうほど、二つの町は遠いのでした。
あんまりに遠いものですから、道は途中で足りなくなって途絶えていました。
互いの町を行き来する手段は何もありませんでした。
いつの頃からだったでしょうか。
互いの町がちゃんと遠くにあることを忘れないでいるために、
二つの町は夜になると小さく灯かりを点すようになりました。
夜になるとどちらの町も新しい灯かりを点し、遠くの灯かりを眺めるのでした。
どちらの町も、何があっても灯かりを絶やさないように注意していました。
灯かりを点しておくと、「寂しく」なくなるような気がしたのですが、
それが自分の町のためになのか、遠くの町のためになのか、よく分かりませんでした。
長い時間が過ぎました…
匣の階「パノラマビールの夜」 | 神戸アートビレッジセンターより引用
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